2CVと過ごす週末・・

TPVプロジェクト・3
2CVプロトタイプ・最初の試作車

  1937年、BMW製オートバイ用500ccエンジン、キック・スターターからハンド・クランク・スターターに改造したエンジンを搭載した、最初の試作車が完成した。

 アルミ製フレームにマグネシューム・サスペンション・アーム、屋根からつり下げられたハンモック・シートを備え、徹底した軽量化のおかげで、試作車は100km/hで走行可能であった。

 しかし、自転車のように1:1のダイレクト・ドライブのハンドルに、ブレーキは前輪のみだったので、最高速走行は恐怖だったという。


 TPV専用エンジンの設計が本格化していく。
トラクション・アバンのエンジン・デザイナー、モーリス・センチュラ の指揮で、375cc・"水冷"水平対向2気筒エンジンが完成した。

 11CV用ラジエーターを流用した、この水冷エンジンを搭載した事に よって、プロトタイプ群は、どれも今日の2CVよりもずっと自動車らし い形をしたアルミボディが架装されていた。

 1937年末、クレルモン・フェランにあるミシュランの工場で20台の TPVプロトタイプが製作され、それまでパリ郊外にある、ボア・ドゥ・ ムードンという町でテストを行ってきた。 しかし、機密保持が困難になったため、パリから100km以内の場所にテストコース用地を確保する必要に迫られた。

パリの西地区、ユール・エ・ロワール郊外の小さな村ラ・フェルテ・ヴィダム(La FerteVidame)の城壁の残る城跡地を用地として確保した。

1938年3月、テストコースが完成し、TPVプロトタイプ群が運び込まれた。   
 

 しかし、そのほとんどがシャーシに間に合わせのシートを載せただけだったので、テスト・ドライバーには、凍死から守る防寒用として、パイロット用フライングスーツが支給された。

 すべては順調に進んでいたが、サスペンション・システムはまだ最終決定されていなかった。やがてシトロエンは、タイロッドで前後を関連させたトーションバーサスペンションをTPVに搭載した。


 1936年製 初期型TPV プロトタイプ(写真)

 リヨン近くのRochetaillee(ロシュタイエ)という街の博物館、"musee Henri Malartre(ミュゼ・アンリ・マラルトゥル)所有で現存が確認されている、最古のプロトタイプ。   クレルモン・フェランでの、ミシュランのタイヤテスト用に実際に使用され、1946年、払い下げられた。

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