2CVがイギリスを出航してから日本に到着するまで、約1ヶ月かかります。
2CVが日本に届いて、実際にナンバーを取得するには、通関と車検が待ちかまえています。 通関は2CVが日本に到着しないことには取り掛かれないので、先に車検の準備をする事にしました。
「交通小六法」という保安基準や道路交通法などの法規が書かれた法律書を購入し、保安基準、正式には「道路運送車両の保安基準」を調べ、問題になりそうな個所をチェックしていきました。
車検を受け、ナンバーを取得するためには、この”保安基準”に適合していなければなりません。 言い換えれば、保安基準を満たしていれば、ナンバーを取得できるわけで、その内容を知る事は私にとっては重要な事でした。 その保安基準のなかでも、私にとっては「適用除外」の規定が特に重要でした。 1955年式2CVには、シートベルトやバックランプ、ウインドウ・ウォッシャーなど、法律で装着が義務付けられている装備がありません。 そこで、この「適応除外規定」が重要になってくるのです。 これは、”法律が施行される(装着が義務づけられる)以前に製造された車両は、改正保安基準を適用しない”という規定の事です。 法律には”過去にさかのぼって適用しない”という原則があり、適法であった行為・製造物を、後に作った法律で違法をする事ができない、というものです。 つまり、私が今回購入した2CVの場合、車検は新規登録として扱われるものの、車両そのものは、1955年(昭和30年)当時の保安基準を満たしていればナンバーを取得できる、という事になります。 余談になりますが、フィアット500の場合、今日の軽自動車の枠に収まるものの、軽自動車の登録にならないのは、当時の軽自動車の規格は360ccだったからです。 「道路運送車両の保安基準」の59条に適用除外車両が明記されており、2CVの車検準備(対策)用に輸入車両の場合の適用除外規定をリストアップしていきました。 ”輸入車両”と断りをいれたのは、準備期間として国産車より半年〜1年程度、施行を遅らせている場合があるからです。 「道路運送車両の保安基準」の59条、適用除外車両を調べて判明したことは、1973年〜1975年にかけて大幅に改正が行われた、という事でした。 言い換えれば、1973年〜1975年以前の車両であれば、ほぼヨーロッパ仕様のままで車検をパスできる、と言えそうです。 1955年式2CVの場合、フロントウインカー以外は、ほとんどオリジナルのままでナンバーを取得できる事が分かりました。
フロント・ウインカーは、当時の基準では”前後から見渡せる位置に左右1個づつ」あればよい、つまり前後に無くても側面のウインカー(アポロなどの腕木式を含む)が前後から見渡せればよい、のです。 1955年式の場合ウインカーはリアクォーターパネル部分にあるのですが、前方から見渡せないので、フロントウインカーだけは対策が必要になりそうです。 良い悪い(安全か危険か)は別にして、当時のまま(1955年式オリジナルのまま)に極めて近い形でナンバーを取得するべく、「道路運送車両の保安基準」の59条・適用除外車両の規定をリストアップしていきました。 |